• Ishikawa-legi

艦長の鼻唄



グアムで潜水艦に乗りました。私は一番前の席で運転手さんのすぐ後ろでした。運転手さんはどうも海軍の退役軍人のような感じで、バイトでこの仕事をしているようでした。この人は、この時潜水艦内スタッフとお客さん合わせて全員の中の唯一の白人で、無愛想で、私らアジア人を鼻であしらっているような態度でした。

海水深度15メートルぐらいのところでサンゴ礁を泳ぐ魚たちを鑑賞している時でした。私の頭の上に「ポタリ、ポタリ」と水が落ちてくるのです。どうもハッチから海水が中に入ってきているようでした(!)(まるで映画みたいです)

私がスタッフに水漏れのことを伝えると、スタッフは「みなさん、ごめんね。ハッチから水が漏れてるので、この船は一旦、海上に上がります」と艦内アナウンスしました。そして潜水艦は上に上がり始めました。

その時です。あの無愛想だった運転手さんが、鼻唄を歌い始めたのです。

「ヤッホー、ジミー、ヘイヘイホー♪」

みたいなのんきな感じです。鼻唄を歌いながら、操縦桿やらメーターやらをお気楽に操作して潜水艦を浮上させていました。

「ううっ…」運転手の鼻唄を聞いて、なお私は不安になりました。

「これは超ヤバイ事態に違いない。こやつは我々イエローモンキーをパニックに陥らせないようにするため、わざと鼻唄を歌って、『大丈夫だあ〜、いつものことさ〜』と演技しているだけに違いない。」

と思ったからです。

でも潜水艦は無事に海上に到達し、ハッチを閉め直し、また再び今度は水深48メートルの海底へと潜っていったのでした。

あれは絶対に、日頃から鼻唄を歌いながら浮上する訓練をしているに違いありません。どの歌にするかも決めているかもしれないし、『この歌なら、こういう意味』とコードも決めてるかもしれません。まったく白人は油断できません。

知人がアメリカで飛行機に乗った時も、上空でいきなり「バン!」と天井が落ちてきたそうです。そしたら慌てず騒がず機長がやってきて、ニコニコ顔で「バン!」と手で叩いて天井を元に戻して行ったそうです。まるで「よくあることさあ〜」みたいな雰囲気だったって。怖いよね〜。

そういえば帰路グアム空港で、車輪止めをしたまま、私たちの乗った飛行機が滑走を始めてしまいました。当然、「ガギーッ!」と大きく機体が揺れて、嫌な雰囲気になりましたけど、飛行機は一旦止まって、向こうの方から慌てて整備士がこちらに駆け寄ってくるのが窓から見えました。あの整備士が車止めを外すのを忘れたのなら、今頃はクビになっているかもしれません。

グアム島の南部の家々は、三軒に一軒ぐらいが、廃屋状態でした。荒れ果てて住む人もなく放置されている、という感じで、いつも町並みを綺麗に手入れしている金持ちのアメリカらしくないな、と思いました。

たるんどるぞ、アメリカ!と叱るつもりは毛頭ありません。我が日本もひどい有様ですから。お互いに、どうしてこんなことになってしまったのか、よ〜く考えて反省しましょ。


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