• Ishikawa-legi

忠臣



うちの夫は忠臣です。殿さまがどんな無体な命令をしても、絶対に従います。たとえば殿さまから、

「お前とお前の家族全員、毒まんじゅうを食べろ。」

と命令されれば、だまって従うでしょう。

上からの命令は絶対です。その命令をきくことで、自分の属している社会を守る、ひいては自分の名誉を守る、と固く信じているのです。

うちの夫はある組織の幹部です。下っ端時代から努力を重ね、抜擢されました。常にまわりの反感を買わないように配慮して、「いい幹部になりたい」と思っています。この思いは、「いい組織にしよう」という思いよりもずっと優先されているところがミソです。

だから誰かが何かを言ってきたら、必ずそれに従います。その要求が理にかなっているかどうか、あまり吟味しません。断ればその人を傷つけることになるので、それでは「いい幹部」になれないから、断らないのです。誰の気持ちも傷つけず、みんな仲良く、が大前提です。

日本の男社会というのは、ずっとこのやり方で成り立ってきました。「次はお前な」とお互いにポストの順番を融通し合い、うちの夫もこれにどっぷり浸かって踏襲してきました。この体制が自分を守ると固く信じていて、体制を変えようとする人を非常に恐れています。

でも最近のネット時代になって発覚したことは、”この体制ではダメだ”ということです。この体制は、相手も思いやりのあるいい人だ、ということを前提にしているからです。殿さまや上司や目の前の人が悪いことをするはずがない、という上に立脚して初めて、この体制でうまくいくのです。

でも”みんないい人”はファンタジーにすぎません。相手は相手で自分の都合で動いているのです。相手の都合がいつもこちらの都合と一致しているとは限りません。一致しない場合は当然、相手は相手の都合で動きます。そのような場合には、その人に(たとえ殿さまであっても)従う必要はまったくありません。

明治維新以来の日本の問題点は、上層部が自分の都合で動いている、ということです。もっとはっきり言えば、上層部は外国ヤクザから脅迫されて、せっせ、せっせとお金を外国ヤクザに貢いでいる状況だということです。で、上層部は国民に向かって「税金もっとよこせ」と言い、うちの夫のような人は、「はい、」と言いなりにお金を差し出しているのです。その結果、全国民が貧窮にあえいでいます。

早くうちの夫が発想を転換して目覚めてくれるといいな、と切に思います。


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