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「日本は心ある人が圧倒的に多い」



「ゴッドファーザーの血」マリオ・ルチアーノ著(双葉社)を読みました。

著者はイタリア・シチリア生まれでマフィアのファミリーの中で育ち、日本に来て山口組の経済ヤクザとなり、今は足を洗って東京でイタリア料理店を経営している人です。

マフィアやヤクザの仕事というのは、麻薬、売春、賭博の三大非合法ビジネスに加えて、企業脅迫、金融詐欺、マネーロンダリングなどだそうで、著者もこの中の幾つかに手を染めていました。「金のためならなんでもやる」が基本的姿勢です。

でも仲間や女に何度も裏切られ、身内である姉や弟にも裏切られ、最後には金も失い、すべてを失います。そして出した結論が、

「私のこれまでの生き方は間違っていたのだ。ルチアーノ家に生まれ、世界各地を転々としながらグレーな仕事で大金を稼いでも、結局幸せを手に入れることはできなかった。私は人生で過ちを犯した。」

「大切なものはすぐ近くにあることを50半ばになってやっと理解した。」

私は最初「これくらい、小学生でもわかるよね。」と思いましたが、よく考えてみるとシチリアに生まれて周りの大人全員マフィアだったら生き方選べないですね。

著者の母も「人間はヘビと同じ。人を信用しちゃダメよ!」と何度も言っていました。著者の子供時代に一緒に遊んだ仲間たちは残らず早死にしたらしいですし。

そもそもマフィアがシチリアで生まれた経緯は、シチリアの人々は過去、為政者の圧政や異民族からの侵略にさらされてきて、自分たちの身を守るためにファミリーで結束を固めたのが最初だそうです。

根本から日本人と違う、でも日本に来て人生で一番大事なことを見つけたっていうのは、本当によかったなと思います。

「これまで生活を送ったイタリア、アメリカ、コロンビア、パキスタン、フィリピンといった世界のどの国よりも、日本には心ある人が圧倒的に多かった。」

と書いてくれているのは、打ちのめされて途方にくれた日本人である私にとって涙が出るくらい嬉しい希望に満ちた言葉です。


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