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主婦妖怪「寝肥(ねぶとり)」



コンビニで「日本の妖怪百科」という本を買ってきた。上図は「孤者異(こわい)」という妖怪。「高慢強情」の別名であり、無分別者のことであるという。

『生きているうちは法を無視して何者も恐れず、傍若無人な振る舞いをして人の物まで取り食らい、死んだ後も妄念執着の念を持ち続けて仏法世法の妨げをなす者のこと。人間の中に潜む悪意が妖怪化したという見方もできるだろう』

下図は「火間虫入道(ひまむしにゅうどう)」という妖怪。生きている間にぼんやり無為に過ごしていた怠け者が、死後に化けて出るものと言われた。家の中の陰になっているところに潜み、行灯の油をなめては、夜なべで仕事をしている人の邪魔をする。


また下図は「寝肥(ねぶとり)」という妖怪(?)。食っちゃ寝をしている怠け者の主婦が将来この妖怪になる。起きている間は見目麗しい女性だが、夜になり眠りにつくと、その体が座敷いっぱいにぶくぶくと太り、まるで車が通るような轟音のいびきを響かせるという。


どの妖怪見ても「あ、あの人そっくり!」と思い当たる(寝肥って私のこと?)。この本を見て驚いたのは、江戸時代の昔から傍若無人な無分別者や、生涯をぼんやりと無為に過ごす怠け者はある一定数いて、問題となっていたということだ。現代と同じだ。

きっと昔ならば、例えば主婦が怠けていると、「寝肥や〜!」と囃し立てられ戒められたのにちがいない。だからこんな妖怪がいたのだ。

現代の問題点は、こういった無法者や怠け者を諌めるものがいない、ということ。「他人のことに口出ししてはいけない」「言ってはいけない」という変な個人主義&ことなかれ主義の操作的流行は、こういった人たちを黙認し助長し蔓延らせてしまい、その結果、社会全体が廃れた。


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