• Ishikawa-legi

漁夫の利


うちの夫は職場の近くにアパートを借りていて、平日はそこで暮らしている。

夫「何にもない時は夕食にご飯と煮干しを食べる。」

私「煮干し?」

夫「あ、ちがった。ほらあの、ラーメンにかける、薄っぺらい皮みたいなやつだよ。」

私「???」

夫はいわゆる”専門バカ”で、普通の人が普通の暮らしに使うようなありきたりな物の名前を知らない。なので説明すると、夫の言いたかったのは「かつお節」のことで、ラーメンではなくお好み焼きにふりかけるものだ。

こんな夫でも、最近は色々な学会からお声がかかって、世話役をたくさん引き受けてくるようになった。中にははっきりいって分不相応な大役も含まれている。

この様子を見ていてつくづく思うのは、「東大の凋落」だ。ほんの数年前までは、日本の学会のお偉い役はすべて東大が握っており、仲間内で順番を回していて、絶対に他大学には渡さなかった。

それがポロポロ、ポロポロとこんな田舎大学にまでお鉢が回ってくるようになったのは、明らかに東大の結束力&求心力が減滅したためだと思う。

東大は今まで多くの学会を作り出しそれに伴って多くのポストができたが、そこを自分たちのみで占めることがパワーの面でも人材の面でも困難となってきた。

おそらくかつて”ロックフェラー大学”と呼ばれた東大は、アメリカのロックフェラー家の凋落と取り巻きハンドラーズの失脚に伴って、指南役を失ってたちまち路頭に迷い、蜘蛛の子を散らすように雲散霧消しようとしているのだろう。

「つまり、漁父の利だね。」と夫は自ら言っていた。わかっていれば、それでいいよ。


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